個人事業主の方が避けては通れない「確定申告」。
既にご存知の方も多いと思いますが、「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。
自分にはよく分からないから・・・と白色で申告してませんか。
白色申告について、平成26年1月以降、事業所得、不動産所得、山林所得のある人は帳簿をつける義務がや保管義務が発生しました。
このことからも、ほとんど青色申告の手間と変わらなったのです。
これを読み終わるころには、次は「青色申告」でやろう!という思いが湧いているはずです。
今回は2つの違いを詳しく説明し、記帳に関して白色と青色の差はほどんどないということ書いています。
青色申告と白色申告の違い
青色白色の比較表
申告方式 | 白色申告 | 青色申告 | ||
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帳簿付け | 単式簿記 | 単式簿記 発生主義 現金主義の記帳 | 複式簿記 発生主義の記帳 |
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決算書の種類 | 収支内訳書 | 損益計算書 | 損益計算書 貸借対照表 |
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青色の特典 | ①特別控除 | なし | 10万円 | 65万円 |
②青色専従者給与 | なし | あり | あり | |
③3年間の赤字繰越 | なし | あり | あり | |
④30万円未満の資産を一括償却 | なし | あり | あり | |
⑤貸倒れ引当金など | なし | あり | あり |
白色申告の帳簿付けとは
【単式簿記】
「単式」とあるように取引を1つの科目に絞って記載する方法です。
例)10/5にペン300円を買った
10/5消耗品300円ペン(現金、カード、何で支払ったかは必要ない)
【複式簿記】
「複式」とあるように、取引を複数の科目で記載する方法です。
例)10/5にペン300円を現金で買った
10/5消耗品300円 現金300円 ペン(何で支払ったかも必要)
白色申告の帳簿付けとは具体的に下記の6つになります。
①現金出納帳
現金の出入りと残高を管理するもの
日付、内容、取引先、金額、残高を記入
②売掛帳
取引先ごとの売掛とその回収を管理するもの
日付、数、単価、金額を記入
③買掛帳
仕入れ先ごとの買掛と支払いを管理するもの
日付、数、単価、金額を記入
④経費帳
仕入れ以外の給与、地代、水道光熱費、消耗品、旅費交通費、交際費などを管理するもの
⑤預金出納帳
預金の出入りと残高を管理するもの
口座ごとに預金の入出金の日付、内容、取引先、金額、残高を記入
⑥固定資産台帳
固定資産を管理するためのもの
種類ごとに事業に使い始めた日、数、購入金額、耐用年数、償却率、償却額などを記入
今まで白色申告されていた方や迷われている方、いかがでしたか。
先ほど用語の説明でみた単式簿記の例をもう一度みましょう。
経費帳に消耗品300円
現金出納長に300円
そう、単式簿記なのに二つに書くのです。
完全に複式簿記と同じですよね。
白色申告でもこれだけ手間がかかるのです。
税理士の私から見ても、正直青色申告とやっていることに変わりないなと思ってしまいます。
青色申告するには
青色承認申請書を提出しなければなりません。
詳しくはこちらをご覧ください。もう迷わない個人開業マニュアル|個人事業主編
そして複式簿記がネックな方、税理士に頼むのが一番てっとり早いですが、確実何万円ものお金がかかります。
まずは会計ソフトを購入するのをお勧めします。1万円あれば購入できます。
65万円の控除とその他特典を受けるのですから、この出費は我慢してくださいね。
会計ソフトを使えば複式簿記の仕訳や総勘定元帳は自動的に作成されるのです。
わざわざ控除の少ない単式簿記を選ぶ必要がなくなるのです。
会計ソフトの進化のおかげで帳簿づけの操作はより直感的になり、複式簿記による記帳は以前よりもだいぶハードルが下がったのではないでしょうか。
<弥生オンラインでの画面>
最後に
現在MFクラウドなど通帳やクレジットカードなどの使用履歴を自動で取り込んでくれるソフトが出ています。
ある程度の記帳はこういったソフトでもまかなえるようになりました。
まずご自身でどこまでできるのか、いろいろな情報をみてやってみてください。