在庫を意識するだけ|誰でもできる決算月の簡単な節税方法

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決算月を迎えるにあたり、今すぐに、そして誰にでもできる節税方法をお教えします。

あることを意識するだけで、簡単に節税できてしまいます。

はじめに

決算月をむかえ、どのくらいの利益が上がっているか、またどのくらい赤字か把握できていますか。

今回は決算月でも間に合う、利益がある場合には利益を減らし、赤字がある場合には赤字を減らせる方法をお伝えします。

決算月にできる簡単な節税方法とは

あることを意識するだけです。

それは、決算月の在庫を減らすことです。

利益の出ている期で次の事を意識してやってみてください。

・前期からずっと売れ残っているものを処分セールを実施する

・前期からずっと売れ残っているものを廃棄する

・来年には流行らないような商品を決算セールなどで売切る

上記のような方法で、決算月の在庫を出来るだけ少なくするのです。

こうすることで、利益を少なくすることができ、節税対策となるのです。

これなら、会計や経理を知らなくてもできますよね。

次からは、なぜ在庫を減らす事が、利益を減らすことになるのか見ていきましょう。

在庫を減らす|なぜ利益を減らすことに繋がるのか

利益を減らす場合

まず図を見てください。いつもの四畳半の図です。

まずどのように売上原価が出ているかを知る必要があります。

下記の右の図でどのように計算されているか見てください。

売上原価は、前期の在庫と当期に仕入れた金額、期末の在庫の金額で計算されます。

決算月で節税対策を間に合わせるためには、どこが重要なポイントかわかりますか?

前期の在庫、これまでの仕入れについては変えられませんよね。

そう、決算月に変えられるのは、期末の在庫となります。

この2つが重要なポイントとなります。

例題では分かりやすいように、期末の在庫のみ変動させ見ていきましょう。

例1-1)利益内容
・売上100 ・売上原価60 ・粗利40 ・固定費20 ・利益20
・期末在庫40

期末在庫が40の時、四畳半の図の利益は20です。

さて次の図、もうひとつの利益の内容をみてみましょう。

売上、当期の仕入れ、固定費の金額は変わらなかったとしましょう。

変わったのは、在庫を減らす工夫をしたことにより、期末の在庫が40→30に10少なくなった場合を想定しています。

例1-2)利益内容
・売上100 ・売上原価70 ・粗利30 ・固定費20 ・利益10
・期末在庫30

期末在庫は売上原価を計算する上で重要な金額です。

期末在庫が40から30になることで、売上原価が70と変わってきます。

その売上原価は、四畳半の図でいう売上原価70に反映され、粗利が40から30に変わりました。

そして最後の利益を見ると、20から10に変わっています。

このことから、期末在庫10の減少は(40-30)は利益と連動しているということが分かっていただけたと思います。

在庫が減った分だけ利益も同じく10(20―10)減るのです。

 
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間違いやすいポイント

私もこの記事を書いた当初は間違って記述しておりました。

読まれていた方ごめんなさい!

B
反省。。。

税金がかかるのは、前期以前に仕入れたものをずっと持ち続けている場合です。

その事業年度の仕入れと、その仕入れた分の在庫については、売れてもいないので利益がかかりようがありません。

すなわち、その事業年度に仕入れた分の在庫を持っていても税金はかかりません。

さいごに

決算月に在庫をどうするか意識することで、利益を減らせることがお分かりいただけたと思います。

ちょっとした知識で、節税対策がとれるのです。

是非、お役に立てていただければ光栄です。

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この記事を書いた人:税理士 大森順子

大森会計事務所 代表の大森です。 税金のこととなると途端に難しい言葉や税率が飛び交う世界。 ブログで税金の事を分かりやすく丁寧に説明しています。 「税理士をもっとより身近に!」感じてくださいね。

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コメント

  1. カワウチ より:

    はじめまして、こんにちは
    決算月の在庫について調べていたところこちらの記事を見つけました。

    追記の部分についてお聞きしたいことがあります。

    ■税金がかかるのは、前期以前に仕入れたものをずっと持ち続けている場合です。

    その事業年度の仕入れと、その仕入れた分の在庫については、売れてもいないので利益がかかりようがありません。

    すなわち、その事業年度に仕入れた分の在庫を持っていても税金はかかりません。

    こちらについてですが、

    決算月に当期の利益500万円出ることがわかれば仕入れで

    税金を回避できるとゆうことでしょうか?

    1. 税理士 大森順子 より:

      コメントありがとうございます。

      結論から申し上げると、決算月に、500万円の利益が出ることが分かっていて、その決算月に仕入れをしても税金を回避することはできません。
      あくまでも、前期に仕入れた分の在庫を当期末に持っている場合のお話です。
      売れないであろう、前期の不良在庫を処分することで利益を圧縮できます。
      売れる在庫は、いくら持っていてもここでは関係ないお話となります。

      なぜ決算期を含む当期に仕入れたものが、税金の回避にならないか、例をとってあげてみますね。
      シンプルに固定費や人件費のない例えにします。

      決算月に100円仕入れて、残念なことにすべて手元に残ったとします。
      この商品のみで考えると期末在庫100円となります。
      売れていないので売り上げはおろか、粗利は全く変わりませんよね。
      利益の変動がないということは、税金を回避することはできません。

      次に、同じように、決算月に原価率50%の商品を100円で仕入れて、すべて売れたとします。
      期末在庫は0、売上200円、仕入れ原価100円、粗利100円となります。
      この粗利100円に税金がかかってきます。
      仕入れたけど売れたら、その売れた部分の粗利に税金がかかってきます。

      このことからも、少しでも売れたら、その粗利部分に税金はかかってきます。
      ちなみに、原価率100円で仕入れたものを売値200円で売っていたけど、売れないので、50%OFFにした場合は、、、

      粗利がないので何も変わらないが答えです。

      原価割れしたとしたら、、、利益は圧縮できます。

      ただ、原価割れしてまで不良在庫を売るより、捨てるほうがいいケースもあります。
      それは、累進税率の境目だったりした場合は、潔く捨てたほうが利益を圧縮でき、一つ下の税率で税金が課税されることになり、、、
      トータルでみると税金が安くなるケースも考えられます。

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