少額減価償却資産とは|特例を活用して節税しよう!

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今回は、「少額減価償却資産の特例」を中心に説明していきます。

イメージしやすいように、イラストを交えながら具体的な例と仕訳も記載しています。

少額減価償却資産を知らなかった方も、これを読んで節税や日々の経理に役立ててください。

少額減価償却資産の特例を適用できる対象者

  • 青色申告の中小企業者等 ※1
  • 青色申告者である個人事業主

※1 租税特別措置法42条の4に規定する中小企業者
 ① 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人
 ただし、同一の大規模法人1 に発行済株式または出資の総数または総額の2分の1以上を所有されている法人および2以上の大規模法人に発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を所有されている法人を除く。
 ② 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人

少額減価償却資産の特例とは

30万円未満の減価償却資産を購入した場合、その取得価額すべてを経費にすることができる特例です。 もちろん、この特例を使わず、通常通りの減価償却を選択もできます。
節税対策に利用するのは、その年に利益が出ている場合にその利益を減らすためにこの特例を利用します。
取得日は、事業年度内ならいつでもOKで、すべて経費とできますので、事業年度末の駆け込み節税にも利用できます。

対象資産|少額減価償却資産の特例

  1. 取得価額が30万円未満
  2. 新品、中古どちらでもOK
  3. 機械装置、工具器具備品など、減価償却資

金額の判定|少額減価償却資産の特例

金額の判定

機械設備や工具器具については、1台または1個、1揃ごとに30万円未満であること

例)パソコン関連:本体1台、メモリ増設、ソフト代(OS等の基本ソフト)、アプリ(officeなど)を同時に購入した場合、すべての購入金額が30万円未満かどうかで判断します。
 

例)応接室セット:机とチェア4つ購入の場合、一揃いとしすべての購入金額が30万円未満かどうかで判断します。
 

因みに社長や従業員などの事務用デスクやチェアなどについては、セットでは考えず、個別の取引単位で考えらるケースが多いです。

金額の具体例|税込み経理の場合①

税込み経理を採用している場合:税込みの金額で判定

例)パソコン関連
248,400円(税込み)<300,000円未満 ∴特例の適用できる
 

仕訳|購入時

日付け 借方 金額 貸方 金額 摘要
2018/4/25 器具備品 248,400 現金 248,400  パソコン/○○カメラ

仕訳|決算時(個人事業主は12/31)

日付け 借方 金額 貸方 金額 摘要
2018/12/31 減価償却費 248,400 器具備品 248,400

 パソコン/
少額減価償却試算の特例を適用

 
例)応接セット
299,000円(税込み)<300,000円未満 ∴特例の適用できる
300,000円(税込み)>300,000円未満 ∴特例の適用できない 
通常の固定資産として処理
 

値引きだなんて、すごい庶民感覚が出てしまいましたが、セットで購入する場合交渉する余地はあると思います(笑)

仕訳|購入時

日付け 借方 金額 貸方 金額 摘要
2018/4/25 器具備品 299,000 現金 299,900  応接セット/○○家具

仕訳|決算時(個人事業主は12/31)

日付け 借方 金額 貸方 金額 摘要
2018/12/31 減価償却費 248,400 器具備品 248,400

 応接セット/
少額減価償却試算の特例を適用

 

金額の具体例|税抜き経理の場合②

税抜き経理を採用している場合:税抜き金額で判定

例)応接セット
299,000円(税抜き)<300,000円 ∴特例の適用できる
300,000円(税抜き)<300,000円未満 ∴特例の適用できない 
通常の固定資産として処理

 

仕訳|購入時

日付け 借方 金額 貸方 金額 摘要
2018/4/25

器具備品
仮払消費税

299,998
23,999
現金 323,997  応接セット/○○家具

仕訳|決算時(個人事業主は12/31)

日付け 借方 金額 貸方 金額 摘要
2018/12/31 減価償却費 299,998 器具備品 299,998

 応接セット/
少額減価償却試算の特例を適用

まとめ

税抜き経理を採用している場合には注意が必要です。
領収書に税込みで書かれている場合が多いためです。
税抜き経理を採用している場合は、領収書の金額が323,998円(8%の消費税込み)までならこの特例を適用できる条件となります。
特例の金額判定の事を考えると、税抜き経理の方が範囲が広くなることになります。

上限について|少額減価償却資産の特例

300万円までが上限となります。
事業年度末にこの特例であといくら使えるのかを計算し、利益が出そうなら30万円未満のパソコンなどを購入することで、節税対策となります。
注意点:開業の年で、月数が12か月より少ない場合は、300万円×(月数 / 12カ月)が上となります。

例)事業年度末近くに少額減価償却資産がいくらか計算してみる
この例でいうと、あと130万円「少額減価償却資産の特例」が使えるということになります。

  1-6月 7-11月 合計額 特例が使える残額
30万未満資産 90万 80万 170万 130万

提出書類について

  • 法人の場合
    法人税の各手申告書に「別表16(7)少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」の添付が必要です。
  • 個人の場合
    確定申告書に「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書」の添付が必要です。
    しかし、青色申告決算書の「減価償却費の計算」欄に一定の事項を書いて提出おり、この明細を保管している場合は、「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書」の提出を省略できます。

その他の特例

取得価額10万円未満について

名称:少額減価償却資産
対象者:すべての法人個人
経費となる金額:取得価額の全額

取得価額20万円未満について

名称:一括償却資産
対象者:すべての法人個人
経費となる金額:取得価額の1/3を3年間で均等に費用化
(少額減価償却資産の特例の特例を適用できる法人については全額でもOK)

おさらい|3つのチェックポイント

取得価額が30万円未満の減価償却資産を購入した場合には、確認ポイントは以下の3つです。

  1. 「少額減価償却資産の特例」が適用できる法人か(個人事業主は2番目より)
  2. 適用できる場合
    下記のように3つの選択肢があります。
    ※費用とできる金額が多い順に並べてあります。
    ・30万円未満の取得価額を全額費用とする
    ・10万以上20万未満の場合、3年で均等に費用化する
    ・通常の減価償却資産とする
  3. 適用できない場合
    ・10万以上20万未満の場合、3年で均等に費用化する
    ・通常の減価償却資産とする

注意点|償却資産税との関連(法人も個人)

30万円未満の減価償却資産を全額費用とする場合には、償却資産税の課税対象となります。
そして、固定資産台帳にも記載する必要がありますので、下記表を参考に、よく検討してくださいね。
(〇が償却資産税の対象となります)

  10万円未満

10万円以上
20万円未満

20万円以上
30万円未満
30万円以上
10万未満を全額経費 ×
3年均等で経費化 × ×
30万未満を全額経費
個別で減価償却

ただし、固定資産税は、課税標準額が150万円(免税額)未満の場合には課税されません。
数十万円のパソコンを何台か持っているぐらいでは、どの方法で処理しても固定資産税はかからないのです。

関連記事
償却資産税の節税の仕方|2つのポイントで賢く節税

さいごに

「少額減価償却資産の特例」の適用いかがでしたか。
事業規模が大きくなると、償却資産税の事も踏まえて検討が必要となります。
もし顧問税理士がいらっしゃる場合には、ここで分からなかった点があればぜひ聞いてみてください。
そして、月次決算で利益がどのくらい出るのかを予測し、この仕組みを使い大いに節税に活用していって頂きたいと思います。
月次決算とは

この記事を書いた人:税理士 大森順子

大森会計事務所 代表の大森です。 税金のこととなると途端に難しい言葉や税率が飛び交う世界。 ブログで税金の事を分かりやすく丁寧に説明しています。 「税理士をもっとより身近に!」感じてくださいね。

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