社会保険料を未払計上することで、節税効果があるのをご存知でしたか。
もしかしたら、未払いについて多少なりとも知っていらっしゃる方は、気にせず決算期末に未払いで計上していたという方もいらっしゃるかもしれません。
今回はその節税効果について、具体例を交えながら詳しく説明していきます。
社会保険料とは
社会保険料とは、健康保険と厚生年金の両方の保険料を総称したものです。
会社は保険料の半額を負担し、残りの半額を従業員や役員などが負担します。
当月の保険料は翌月控除の会社が多いかと思います。
その月の会社負担分と従業員などの負担分の合計額が、翌月末日に銀行口座より引き落とされる仕組みとなっています。
社会保険料に月数案分の考え方はないです。
月の途中で入社してもその月の保険料は日数案分されることなく翌月の給料から控除されます。
会社負担分も同様に日数案分はありません。
社会保険料の未払い計上で節税|その仕組み
6月決算法人の場合
まず図をご覧ください。
今回は簡便的に月末がすべて平日という設定です。通常は月末が土日祝日の場合には翌月になります。
11月分の引落だけは変則的ですが、12月29日からお休みとなるため引落は必ず1月4日以降の平日となります。
銀行口座より引落分を記帳していくと、12か月分計上することになります。
ここに5月分の社会保険料を未払いで計上することにより、法定福利費が1,000円プラスされ費用を多く計上できることなります。
費用を多く計上できるということは、利益を減らすことができるのです。
因みにこの節税対策は、前払い家賃と同じ考え方で一度のみの節税対策となります。
参考
短期前払費用で節税対策|6つの要件とメリットデメリット
翌年からは継続して適用となります。
6月決算は、非常に分かりやすいと思います。
注意してほしいのは、次の12月決算法人です。
12月決算法人の場合
こちらも図をご覧ください。
このように月末に、11月分の1/4引落の未払いと、12月分の1/31引落の未払いの2つが未払いで計上することになります。
この二つの未払いを区別するために、11月分の社会保険料については、通常月末時点で翌月以降に支払いが到来する「月の未払い計上」といういい方にしました。
そして12月分の社会保険料については、決算時に計上するという意味で「決算の未払い計上」といういい方にしました。
結論は何月の決算法人でも同じです。
上記の例でいうとPLに13か月分、13,000円が計上されていればOKです。
ひと月分節税対策ができるという事になります。
翌年度からはずっと12か月分が法定福利費に計上されることになります。
最後に
順を追って見ていくととても分かりやすかったと思います。
この社会保険料の未払い計上については、一度のみの節税対策となります。
従業員の多い会社では、社会保険料も高額になりますので効果的に節税対策が行えます。