月次決算とは|経営者が知るべき3つの重要性を徹底解説!

月次決算とは|経営者が知るべき3つの重要性を徹底解説!
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

月次決算とはなんぞや、と疑問に思われている社長や経営者の方のため、その重要性と内容について詳しく解説していきます。
言葉からある程度、推測はできると思います。

会計事務所にお願いしなくても、ある程度ご自身でもできるものです。
これを読んで、ぜひ御社にも取り入れ、数値をもとに販売戦略をたて業績を伸ばしていっていただけたらと思います。

はじめに

「月次決算をしていない会社で伸びている会社はない!」と断言できるほど重要な位置づけです。
なぜそう言えるのか、順を追って次の章から見てきましょう。

月次決算とは

定義:毎月の財政状態を明らかにするために、月末までの数値を基に行われる決算のこと
目的:毎月の業績がわかることによって、リスク管理や販売戦略をたてやすくするため

なぜ月次決算が必要なのか|リスク管理編

さて、ここからは具体的に2つの会社の例をあげてみていきましょう。
会社の規模は年商2,000万くらいまでを想定しています。
(これから業績を伸ばしていきたいと考えている会社をメインとして考えていますので、これくらいの規模にしておきます)

具体例

①A社長
申告について年に一度まとめてやる短期集中型タイプ

A社長
こんにちは!初めまして

税理士
こんにちは。初めまして。今日はよろしくお願いします。

A社長
ところで、月次決算が重要なんて言ってるけど、俺の頭の中でだいたい利益も経費もわかってるんだよね。本当に必要なの?

税理士
そうですね、事業が回っている間はいいですが、大口の取引先の回収が遅れたり、最悪倒産した場合、売上の減少に耐えられますか。
そんな時この月次決算を組んでいるとリスク管理にもなるんですよ。

A社長
お世話になってる銀行に借りるから大丈夫!

税理士
そうですか…

税理士
うまくいかないと思うけどなぁ…
顧問料が欲しいから言ってるんじゃないのにな。

この後も月次決算の重要性を訴えた税理士でしたが、A社長のお考えは、変わりませんでした。
その考えとは、毎月経理に時間を割けないし、税理士もコストがかかるから、年に一度まとめて自分か家族で経理をやり、月々の損益については自分の頭の中で十分という考えです。
そして、数年後ついに最悪の事態がきました。大口の取引先からの回収が遅れたのです。
急いで銀行へ行き、そのことを伝え資金が足りなくなる、と言いましたが、すぐ融資が下りるでしょうか。
答えは「NO」です。融資が下りる可能性もありますが、ほとんどの場合駆け込みでは対応してくれないでしょう。
A社長はその後自己資金や親族から借入をし数年は持ちましたが、最後は資金が回らなくなり、事業を存続できなくなりました。
そして追い打ちをかけるように、会社をたたむのにもお金がいる事実を知ったのです。

②B社長
毎月どのくらいの売上があって利益がでているのか、経理にも時間をあてるコツコツタイプ

B社長
今月の売上は大口の取引先の回収が遅れてるんだよね。それで利益も少ないんだよ。
銀行融資大丈夫かな。

税理士
そうですね。厳しい状況ですが、お付合いしている銀行に今月の試算表をもって相談してみましょう。
今まで売上も上がって利益も出ていたので、お世話になっている銀行に早めのに相談すると積極的に融資を考えてくれるところが多いですよ。

B社長は、その後融資の決裁がおり、無事に乗り切ることができました。

両社長の結果については一目瞭然です。
お付合いしている銀行に、日ごろから申告書や試算表を提出するなど、何も問題が起きていないときから事業について報告訪問していることが前提となりますが、
会社はずっと伸び続けるわけではありません。
どの会社にも必ず危機はあるものです。そのリスク管理としても「月次決算」が生きてくるのです。

役員保険や、自動車保険などは当たり前に入りますよね。
上記のような事態のために中小企業倒産防止共済制度などももちろんありますが、月次決算についても保険としての価値があるのです。

なぜ月次決算が必要なのか|販売戦略編

上記でも述べたように、月次決算を取り入れることにより、毎月の売上やコストが見え、傾向がわかるようになります。
①どの商品や事業が売れ行きがいいのか
②どの商品や事業が粗利率が高いのか低いのか
③粗利益から固定費を支払えているのか
④利益をどのくらい出せば、固定費をまかなえるのか。
⑤利益の目標値があるが、売上はどのくらい必要なのか

どうでしょうか。
上記のことが見えてくると、利益が少ない場合はどの事業に重点を置くべきか
利益がある場合には、新しい市場を狙えるのか、など様々な販売戦略が見えてくると思いませんか。

なぜ月次決算が必要なのか|節税編

何度も述べていますが、月次決算を取り入れることにより、毎月の売上やコストが分かり、傾向性がつかめます。
だいたい決算期3カ月前くらいから、決算対策として利益の予想をし対策を練っていきます。
早めに利益の予想をすることにより、節税対策にも役立つのです。

法人の節税対策についてはこちら
法人の節税対策|経営者必見!3つのポイントを押さえすっきりわかる解説
個人の節税対策についてはこちら
個人事業主のための節税マニュアル

重要性のポイントおさらい

いかがでしたか。月次決算の重要性を感じてもらえたと思います。

上記でも説明しましたが、月次決算を導入すると、下記の3つのことが見えてきます。
①リスク管理 ②販売戦略 ③節税対策
いずれも事業にとって大切なものばかりです。

月次決算により販売戦略をたてられ、売上(粗利)が伸びる、節税ができるようになった時の状況を想像してみてください。
何とも色んな選択肢があることか!
そんな嬉しい思いをしてほしいのです。

さいごに

もし現在顧問税理士の方がいらっしゃるなら、”年に一度が安いから”と考えるのはあまりにももったいないと思います。
実際に月単位で税理士に頼むとコストはかかりますが、本気で考えてくれる顧問税理士なら、月次決算の見返りは大きいはずです。
税理士の年間顧問料と会社にもたらす利益(その仕事内容)を比較してみてください。

月次決算により、販売戦略が立てやすくなるのは事実ですが、実際には販売戦略は社長が立て、突き進むものです。
しかし節税対策については税理士の本業ですので、その見返りは(日々の対応や税務調査の対応含め)顧問料以上のものになるはずです。

そして現在顧問税理士に頼まれていない社長や経営者の方もいらっしゃると思います。
このサイトは税理士を進めているわけではありません。月次決算の重要性を書いているのですから!

ある程度簿記に知識がある経営者や社長ならご自身でソフトに入力し、月次の試算表を作成してください。
月次決算のやり方については後日ブログにて説明します。

是非月次決算を導入し、企業を存続し伸ばしていってください。
経営者の皆様や社長が元気になること、そして中小企業が元気になることが私の願いです!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を書いた人:税理士 大森順子

大森会計事務所 代表の大森です。 税金のこととなると途端に難しい言葉や税率が飛び交う世界。 ブログで税金の事を分かりやすく丁寧に説明しています。 「税理士をもっとより身近に!」感じてくださいね。

SNSでもご購読できます。

Product by

大森会計事務所 八王子

コメントを残す

*

CAPTCHA