契約書や領収書に貼る収入印紙。
今回はその印紙について、一工夫で節約できる事例を紹介していきます。
目次
はじめに
契約書や領収書に収入印紙を貼るということは、印紙税法で定められた税金の納税したことになります。
契約書はコピーでOK?
会社の代表者が、会社に個人のお金を貸し付ける場合がよくあります。
その場合に、会社と代表者との間で「金銭消費貸借契約書」を締結します。
この契約書にも印紙税がかかるのです。
具体例
よく、下記のような文言を見ると思います。
「この契約書を2通作成し、当事者双方が1通ずつこれを所持する」
この記載があると契約書を2通作成し、印紙税も2通分貼らなければなりません。
800万円貸し付ける際には、1通10,000円になり、2通で20,000円となります。
節税対策
上記の文言を、下記のようにするだけで、1通分の印紙税を貼るのみでOKとなります。
「この契約書は1通作成し、甲は本契約書を、乙はそのコピーを所持する」
契約書のコピーには収入印紙を貼る必要はありません。
これで1万円節税できるのです。
契約の金額を区分する
例えば、機械の販売と取付を同時に行うケースがあったとします。
機械の販売は単発的な物品の販売となり、印紙税法上その契約書に印紙を貼る必要はありません。
一方、機械の取付は請負契約となり、その契約書は印紙税を貼る必要があります。
具体例1
Q:契約書に「機械及び取付費用の合計700万円」と記載した場合
A:印紙税1万円
これは1つの契約書に物品の売買契約書と請負契約書がある場合、この契約書は請負契約書であるとみなされるためです。
具体例2
Q:契約書に「機械代金600万円、取付費用100万円」と記載した場合
A:印紙税200円
これは、区分して記載することにより取付費用の100万円だけが印紙税の課税対象となるためです。
印紙税の金額
契約形態と金額で、どのくらいの収入印紙を貼ればいいのかが決まっています。
自分の会社でしたらどちらかコピーでも構いませんが、取引相手がいるとなると話し合いが必要となるでしょう。
1 不動産等、消費貸借に関する契約書
2 請負に関する契約書
参照URL:国税庁HP(平成30年5月現在)
豆知識|請負契約か委託契約か
委任契約に当てはまると、 不課税の文書となります。
その場合、収入印紙の貼付は不要となります。
※販売代理店契約書などの販売委託契約書は除く
参照:ヒルトップ行政書士事務所
法的な効力について
節税、節約できたとしても、法的効力があるか不安に思われるかもしれません。
今日、裁判等において契約書の原本がなくても、契約書のコピーがあれば契約内容について有力な証拠となります。
現在2通の契約書を取り交わすことは慣習となっています。
しかし実際には、契約書は1通のみで取り交わしても法的な効力が発生するため、印紙代も半額で済ませることができるのです。
おわりに
いかがでしたか。
最後に、税理士と契約する場合で、申告決算書などを作成してもらう場合には請負契約に該当し、金額に応じて印紙を貼る必要があります。
因みに、まだ税理士と顧問契約されていない経営者の方、契約される税理士はどんな方なのか楽しみですね。
1部原本で1部はコピーでいいよ、と言ってくれる税理士なのか、
これまた貼らなくても、、、という税理士かは契約してみないことには分かりません。
また、顧問だけをお願いする場合には委託契約になるので、印紙を貼る必要がありません。
ちょっとした知識で節税、節約できます。
この記事がお役に立てば光栄です。